胃ガン・大腸ガンの治療(1)

ここまで、胃ガン・大腸ガンの
死亡率・原因・早期発見・予防・症状
についてご説明してきましたが、

今回は最終章:治療です。

 

まず、胃・大腸ガンに限らず、
ガン全般に対する基本的な治療法・考え方について説明します。

「ガンといえば手術でしょ!!」
と思われがちですが、

手術も含め、
主に以下の4通りの治療があります。

切る手術内視鏡的切除など)
②薬剤(抗ガン剤):化学療法
③放射線治療
④BSC(緩和、ターミナル・ケア)

さらに、①には

1)ピンポイントで小さく取る
胃・大腸の内視鏡的切除:ESD治療など)

2)病変の周囲ごと大きめに取る
手術:周囲のリンパ節郭清など)

という感じで2パターンあります。

次に②、③ですが・・・

②は抗がん剤を全身投与する治療で、
化学療法(Chemotherapy:通称ケモ)ともいいます。

③は全身/病変局所に対して、
一定期間、集中的に放射線を当てる治療で(Radiation:ラジエーション)ともいいます。

②+③を組み合わせる治療もあり、
頭文字をとって「CRT:ケモ・ラジ」
などと略したりします。

④は、
ガン自体に直接的な治療はせず、
からだに出てきた症状ひとつひとつに対して、
それぞれ治療を行っていくもので、
いわゆる対症療法が中心です。

昔は
「緩和治療」「ターミナル・ケア」と呼ばれていましたが、
現在はBSC(Best supportive care)と呼ばれています。

 

※では、
一体どのようにして、
その治療法が選ばれるのでしょうか?

 

治療法を選ぶポイントは

■ガンの進行具合い
 (どのくらい拡がっているか?)

■そのガンの性格・性質
 (どの治療に反応しやすいか?)

の2つです!!

それぞれについて、説明していきます。

 

■ガンの進行具合い
それを示す数値として、「病期分類」というものがあります。

病期はstage:ステージともいいますが、「1-4」までの数値で、
そのガンがどれだけ拡がっているかを表すものです。

医療系のTVドラマなどで、
時々耳にしますが、
数値が大きくなるほど進行していることを示しています。

※最も進んだステージ 4 だと、
他臓器に転移があることが多いです。

■ガンの性格・性質
ガンは身体の各臓器の一番表面
胃・大腸は、内側最表層:粘膜
から出てきます。

その発生母地となる各臓器で、
最表層の組織(細胞レベル)が少しずつ違うので、
それぞれ、
もとの臓器に由来した性質を持つことになります。

「カエルの子はカエル」・・・みたいなイメージですね。

そして、
それぞれの組織によって、
各治療の効きやすさが違うわけです。

※この場所からでてきたガンは、
抗がん剤は効きにくいけど、
放射線は効きやすい・・・
とかです。

 

さて、ここで話を
4通りの治療法に戻しますと、

 

※①-④の治療のなかで、
最もからだの負担が少なく、
治療効果が確実なもの
はどれでしょうか?

 

それは・・・

断然、①切る になります!!

他の治療(②-④)の方が、
からだを切る手術(①)よりも、
からだにやさしいようなイメージがあるかもしれませんが、

そうではありません!!

なぜなら、
①のターゲットは病変(もしくはその周辺)のみですが、

②・③ではターゲットが「全身」だからです!

抗がん剤も、放射線も、

基本的には
「正常な組織ごとダメージを与えて、正常部分よりもガン部分により大きなダメージを与える治療」なんです。

ですから、
副作用が強く(髪が抜けたり、食事が摂れなくなったり)、
きつい治療になるんですね。

そして、
治療効果はそのガンの性質(発生母地由来)によるため、残念ながら、
効かないものにはほとんど効きません

そこへいくと、
①であれば、完全に取りきれる場合、
治療効果(根治度)は最強です。

ただし、この場合、
「ガンがピンポイント/もしくはその周辺のみにとどまっていること」が必須条件となります。

つまり、

手術などで取りきれる範囲をこえて、
他の臓器に飛んでいたり(遠隔転移)
おなかの中に散らばっていたり(腹膜播種:ふくまくはしゅ)すると、
全部は取りきれないわけです。

そうなると、すぐに再発してくるため、

その場合は、
消去法で、②-④しか治療選択肢がなくなってしまいます。

さらに、
そのガンの性質が、②も③も効きが悪いものであったり
ご本人に②・③の副作用に耐えうるだけの体力がない場合(高齢・基礎疾患など)は、
④しか選択肢が残されていない、といったケースもよく経験します

ですから、くり返しになりますが、

とにかく、

★「ガンは早く見つけたもの勝ち」

で、

ガンとの闘いは

「いかに早い段階でそれを発見できるか・・・」

にかかってくるわけですね。

次回は
胃癌・大腸癌の治療についてです。

ご興味のある方は、
<胃・大腸がんシリーズ>
死亡率 原因(成因) 
予防 症状① 症状② 
 治療② 治療③

もご参照下さい。

★まずはご自身の健康に関心をもち、簡単な検査からでいいので、検査を受けましょう!!

当院は
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専門施設です。

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