健康診断で再検査の指摘を受けた方へ

健康診断で再検査の指摘を受けた方へ

  • 健康診断の結果を見ても内容がよく分からない
  • 「要再検査」と書かれていても、そのまま放置している
  • 毎年受けてはいるが、結果を見返したことがない
  • 健康診断自体を受けていない

「特に症状がないから…」と放置していませんか?
これらに心当たりがある方は、要注意です。

自覚症状がないまま進行する病気は数多くあります。健康診断の異常を見逃すことで、がん・心筋梗塞・脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)など、命に関わる重大疾患が発症する可能性もあります。

健康診断の「再検査」の意味とは?

健康診断の「再検査」の意味とは?健診で「要再検査」と判定されても、その時点で実際に深刻な病気が見つかるケースはそれほど多くありません。しかし、それは「今はまだ症状が出ていない」「経過観察で済む段階だった」というだけのことです。

健診の”本当の目的”は、病気が本格的に進行する前に「病気の芽」を見つけ、その発症予防につなげることにあります。

病気の早期発見・早期治療が命を守ります

日本人の3大死因は「悪性新生物(がん)」・「心疾患」・「脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)」の3疾病です。これらの疾患も、早期に見つけて適切な治療を行えば、高い確率で改善や回復が可能とされています。
そのためには、健康診断を毎年受けることに加え、異常値や再検査の指摘を軽視・放置しないことが重要です。

「面倒だから」「忙しいから」と放置してしまうと、将来的に治療の負担やリスクが大きくなる可能性があります。
当院では、健診後のご相談も承っています。
「結果に不安があるけれど、何から相談すればいいか分からない」
「この数値は問題ないのか、誰かに聞きたい」
そんな時は、ぜひ当院へご相談ください。

当院では、健康診断の実施はもちろん、健診結果に基づいた再検査や精密検査のご案内、生活習慣のアドバイスまで丁寧に行っております。
気になることがある方、しばらく健康診断を受けていないという方も、お気軽にご予約ください。

健康診断で指摘されやすい異常値について

健康診断では、体全体の健康状態をチェックするために多くの項目が検査されます。その中には、何の異常なのか分かりにくい数値もあり、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。当院では、そうした不安を少しでも早く解消できるよう、必要に応じて精密検査や治療につなげられる体制を整えています。

便潜血検査

便潜血検査便潜血検査は、便の中に肉眼では見えない微量の出血(潜血)が含まれていないかを調べる検査です。大腸がんや大腸ポリープ、痔など、消化管からの出血を早期に発見する目的で、健康診断でも広く行われています。
検査では、2日分の便を採取して調べます。1日分だけで陰性だった場合でも、もう1日分で陽性となるケースがあるため、2日法が基本とされています。「便潜血・陽性=大腸がん」とは限りませんが、出血の原因を明らかにするために精密検査(大腸内視鏡検査)が必要です。臨床的には陽性/陰性のどちらであったか重要ではなく、たとえ陰性であっても大腸がんが見つかった例も多々あります。

実際の臨床現場では、大腸がんがなくても、その原因となる大腸ポリープが見つかることは多く、その大腸ポリープを切除することで、結果的に将来的な大腸がんの予防に直結します。この点が便潜血検査を受ける最大の目的・メリットです。
つまり、二次精査の大腸内視鏡検査を受けることで、「その時点での大腸がんの早期発見+将来的な発がん予防」を”同時に”行うことができます。

早期の大腸がんやポリープは自覚症状が出ることはなく、大腸内視鏡検査(便潜血陽性での二次精査)が唯一の発見の手がかりとなることも少なくありません。近年では若年層(30代)の大腸がんが急増している傾向にありますので、特に35歳以上の方は、年に一度は便潜血検査を受けることをおすすめします。

陽性の結果が出た場合、症状がないからといって放置せず、できるだけ早く医療機関での精密検査をご検討ください。当院では、「鎮静剤を使用した体への負担が少ない大腸カメラ検査」にも対応していますので、安心してご相談ください。

肝機能に関わる検査項目

肝機能に関わる検査項目ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTP・ALP・アルブミンなどの数値は、肝臓の状態を把握するために重要な指標です。
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれるように、病気になっても初期には自覚症状が現れにくいため、健康診断での異常値は肝臓疾患を早期に発見する重要な手がかりとなります。

AST・ALTの上昇は、肝細胞の炎症や障害を示唆します(例:脂肪肝・肝炎など)。
γ-GTPやALPの高値は、胆道系の異常(胆石や胆管炎など)やアルコール性肝障害の可能性を示します。
アルブミンの低下は、栄養状態や慢性的な肝機能低下が疑われます。

当院では、これらの異常が見つかった際に、追加の血液検査や腹部超音波検査(エコー)などを用いて原因を詳しく調べることが可能です。肝機能の数値に気になる点がある場合は、お早めにご相談ください。

糖尿病に関連する数値:血糖値・HbA1c(ヘモグロビンA1c)

健診で「血糖値が高い」「HbA1cが基準値を超えている」と指摘された場合、糖尿病やその予備群が疑われます。糖尿病は初期症状が乏しいものの、進行すると視力障害(失明)・腎機能障害(人工透析)・神経障害などの合併症を引き起こす可能性があり、全身の血管における動脈硬化が進行することで、「心筋梗塞・脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)」の発症リスクが数十倍になるとされているため、早期の対処が重要です。

糖尿病のうち多くを占めるのが、生活習慣の乱れが影響する2型糖尿病です。定期健診で早めにリスクに気付ければ、食事や運動による生活改善だけで、重症化を防ぐことも十分可能です。

高血圧:血圧

健康診断や診察時に測定された血圧が 140/90mmHg以上の場合、「高血圧」と診断されます。血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に継続的な負担がかかり、自覚症状がないまま 動脈硬化や心肥大が進行してしまうことがあります。
その結果として、脳卒中・心筋梗塞・心不全・不整脈・動脈瘤・腎機能障害など、さまざまな循環器疾患を引き起こすリスクが高まります。
高血圧は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれるように、気づかないうちに深刻な病気へとつながる可能性があるため、早期の対応が非常に重要です。

治療の目安となる血圧は以下の通りです(ご家庭で測定した場合)

75歳未満 125/75mmHg未満(診察室では130/80mmHg未満)
75歳以上 135/85mmHg未満(診察室では140/90mmHg未満)

血圧が基準値を超えていると指摘された場合は、なるべく早めに医療機関での検査と治療をおすすめします。

脂質異常症(高脂血症):コレステロール・中性脂肪

健診結果で以下の項目のいずれかが基準を外れている場合、「脂質異常症」と判断されます。

  • LDLコレステロール(悪玉)が高い
  • HDLコレステロール(善玉)が低い
  • 中性脂肪(トリグリセリド)が高い

これらの目安は、

LDL 140mg/dL未満
HDL 40mg/dL以上
中性脂肪 150mg/dL未満

が一般的な基準とされています。

脂質異常は、ほとんどの方に自覚症状がなく、知らない間に進行してしまうことが多い疾患です。しかし、放置すると 血管内に脂質が蓄積し、動脈硬化の原因となります。
最近では、脂質異常症は 動脈硬化の主要なリスク因子のひとつとされており、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクとも深く関わっているため、最近の研究では高血圧よりも健康寿命に強く影響することがわかっています。健診で指摘された方は、早めに医師の診察を受け、生活習慣の見直しや必要に応じた治療を始めましょう。当院ではエコー専門技師による動脈硬化リスクを測定するための「頸動脈エコー」も行っています。

高尿酸血症:尿酸値(UA)

尿酸は、「プリン体」という物質が肝臓で分解された結果、体内に生成される老廃物の一種です。プリン体は細胞内の核酸の成分として、体の働きに不可欠な物質ですが、過剰になると尿酸が増えてしまいます。

尿酸値が高い状態(高尿酸血症)には自覚症状がないことが多いのですが、長く放置すると、突然関節に激痛を起こす痛風発作や、尿路結石、腎機能障害などの合併症を引き起こすことがあります。さらに、動脈硬化も進行させるため、心筋梗塞などの循環器疾患との関連も指摘されており、健康診断で高尿酸血症と指摘された場合は早めの対策が大切です。
生活習慣の見直しや、必要に応じて薬物治療を行うことで、尿酸値をコントロールすることが可能です。

腎機能を確認するための項目

クレアチニン(Cr)、尿素窒素(BUN)、推算糸球体ろ過量(eGFR)は、腎臓がどれくらいしっかり働いているかを調べる上で重要です。

クレアチニンは、筋肉の代謝によって生じる老廃物で、BUN(尿素窒素)は体内でたんぱく質が分解されたあとにできる不要物です。これらは本来、腎臓によって尿として体外に排出されますが、数値が高い場合、腎臓のろ過機能が低下している可能性があります。
また、腎機能の状態をより具体的に表す指標としてeGFR(推算糸球体ろ過量)があります。これは、腎臓の中の「糸球体」という器官が血液をどの程度ろ過できているかを示した値で、正常な腎機能では90mL/分/1.73㎡以上が目安となります。
eGFRが60未満の場合、腎機能が低下している可能性があり、慢性腎臓病(CKD)などのリスクを早期に発見するためにも、定期的なチェックが重要です。

尿タンパク・尿潜血

通常、タンパク質は体にとって非常に大切な栄養素であり、健康な状態であればほとんど尿に排出されることはありません。しかし、腎臓に異常が生じると、尿を作るフィルターである糸球体の働きが低下し、タンパク質が尿中に漏れ出してしまいます。尿タンパクの陽性は、腎臓病の初期兆候である可能性があり、進行すると腎機能障害や将来的に透析が必要になるリスクもあります。

また、尿潜血が認められる場合には、腎臓・尿管・膀胱など泌尿器のどこかで出血が起こっている可能性があります。原因としては、腎炎・尿路結石・腎臓や膀胱の腫瘍(がん)などが考えられます。ただし、運動後や一時的な炎症などで出る場合もあり、すぐに深刻な病気とは限りません。異常があった場合は、早めに医療機関を受診し、必要な検査を受けることが大切です。

貧血(ヘモグロビン・赤血球数・ヘマトクリット)

健康診断で貧血を指摘されるときには、主に血液中のヘモグロビン濃度(血色素量)が基準となっています。貧血の原因で最も多いのは鉄分不足による「鉄欠乏性貧血」ですが、体内での出血が隠れているケースもあります。

たとえば、胃潰瘍や胃がん・大腸がん、女性の場合は子宮筋腫など婦人科疾患が出血源となっていることもあります。さらに、白血病など血液の病気(血液悪性疾患)で貧血が起こることもあります。
これらの中には早急な検査・治療が必要な疾患も多いため、貧血を指摘された際には、自己判断せず必ず医療機関で精査を受けましょう。

膵臓(アミラーゼ・リパーゼ)

膵臓の健康状態を把握するために検査されるのが、血液中のアミラーゼとリパーゼの数値です。
アミラーゼは糖質の消化を助ける酵素で、膵臓や唾液腺から分泌されます。
リパーゼは脂肪を分解する消化酵素で、主に膵臓から分泌されます。

これらの値が高い場合、急性膵炎や慢性膵炎など膵臓の炎症が疑われます。膵臓の病気は初期症状が乏しく、発見が遅れると重症化しやすい臓器のひとつです。
血液検査で異常を指摘された場合は、できるだけ早めに受診し、必要に応じて腹部エコー(超音波)検査などで詳しい検査を行うことが大切です。

 

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